十分な睡眠がとれた朝は頭がスッキリして仕事もはかどるものです。実はこの「睡眠」。妊活にも大きく関わっており、質のよい睡眠をとることが妊娠しやすい体を作ると言われています。そこで、妊娠と睡眠の関係、妊活に最適な睡眠時間、その時間帯について詳しく見ていきましょう。
- 睡眠と妊娠の関係
・成長ホルモンと女性ホルモン
睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があります。人は寝始めてから約90分サイクルでこの2つの睡眠を繰り返します。そして、妊娠と深く関わっているのは「ノンレム睡眠」のほうです。ノンレム睡眠の時、成長ホルモンが分泌されることはよく知られていますが、実は他のホルモンを調整する作用を持ち合わせているのです。ですから、妊娠に必要な女性ホルモンを刺激し、分泌を促すことで、妊娠しやすい体を作ってくれるというわけです。
・活性酸素を抑制
活性酸素とは体を老化させるやっかいなものですが、さまざまな原因で体内に蓄積されていきます。そして、活性酸素は、卵子を攻撃すると言われているので、睡眠ホルモンがしっかりと分泌されないと、卵子が熟成しにくくなるのです。睡眠時には睡眠ホルモンが分泌されますが、これには眠気を誘うだけではなく、活性酸素を抑制する働きもあることがわかっています。ですから、十分な睡眠をきちんととることは、睡眠ホルモンを分泌させ、卵子の熟成を促すのです。
- 最適な睡眠時間は?
妊活と関係なく、人間にとって最も適した睡眠時間は90分の倍数だと言われています。たとえば、6時間、7時間半など。つまり、起きる時間から逆算して眠りにつけば、朝、スッキリと起きることができるのです。それぞれの生活スタイルや最適な睡眠時間は違うのでピッタリと合う睡眠時間を見つけることが大切です。妊活中の人は、しっかりと自分に合う睡眠時間を見つけて規則正しい生活を心がけましょう。
- 妊活と睡眠の時間帯
妊活中の人にとっては睡眠時間だけではなく、その時間帯も重要です。睡眠にはゴールデンタイムと呼ばれる時間帯(22時から2時まで)があり、この間は成長ホルモンの分泌が盛んになります。成長ホルモンの分泌が活性化することで、女性ホルモンが刺激され、分泌も活性化されるので、妊娠率がアップします。ただし、実際のところ、午後10時に就寝するのは難しいかもしれませんが、遅くても11時には寝るようにすれば、3時間はゴールデンタイムに睡眠できるでしょう。いずれにしても、毎日規則正しく就寝することが大切です。
- 質の高い睡眠を
妊娠を望んでいるなら、ただ、ゴールデンタイムに寝るだけではなく、質のよい睡眠をとることも重要です。朝、起きた時によく寝た感があり、スッキリと目覚められるようにするためには、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにしなければなりません。そのためには、就寝前のアルコールを控えること、夕食を早めにとること、早めに入浴すること、部屋をできるだけ暗くすること、適度な運動をすることなど、自分でできる対策はいくつかあります。できるものから取り組んでみるとよいでしょう。